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吊された男

吊された男(つるされたおとこ、The Hanged Man)は、タロットの大アルカナに属するカードの1枚。吊し人(つるしびと)・吊られた男(つられたおとこ)・死刑囚(しけいしゅう)・刑死者(けいししゃ)とも呼ばれる。カード番号は「12」。
絵の意味
描かれている人物は(主にウェイト版タロットでは)北欧神話の最高神・オーディンをモチーフにしていると言われている。オーディンはルーン文字の解読方法を知る為に世界樹・ユグドラシルの枝から九日間にわたり首を吊り続けたが、縄が切れて一命を取り留めたと神話では伝えられている。また、イタリアの古いタロットカードの中には、この逆さ吊りの人物に金の入った袋を持たせ「反逆者」というタイトルをつけるものもある。即ち「ユダ」である。

マルセイユ版の構図に注目すると「恋人」のカードと同じ構図が確認できる。象徴的に樹木は母性であり、この2枚ともが「2本の(2人の)樹木(女性)に挟まれた身動きの取れなくなっている男」を表している。また両側に伸びる樹木は枝を切りそろえられており、切り口は1本につき6つ、あわせて「12」となる。樹木の下に地面(らしきもの)が見られ、吊られている男の頭部は谷のような(深さが不明な為、掘られた穴とも、樹木と土自体が地面より高い位置にあるとする説もある)場所で両側の地面(のような部分)より低い位置に描かれている。こうした危機的状況にもかかわらず、男の表情は素直にこの状況を受け入れているかのように凛としたものであり、この男自身が望んでこの状況を招き入れたことを暗示している。つまりこの絵に描かれているのは単純な辱めの為の刑罰ではなく、通過儀礼の儀式であろうことが伺える。 組んだ足の形はカバラにおいて物質世界を表わす「4」、同じく手は精神世界を表わす「3」になっており、現状は「物質が精神の上に置かれた状態」を表わし、精神が物質を越えた「XXI 世界」と対比される。

また、このカードを逆さま(いわゆる逆位置の構図)に置き換えて眺めてみると、追い詰められた状況にいた男の姿が一転してほんのり笑みを浮かべた表情へと変わり、その姿は片足で超絶的なバランスをとりながらダンスを踊っているように見える。このことから、男はやがて通過儀礼の儀式を終え更なる高みへと進むであろうことが暗示されており、この絵の状況が決して避けて通ることの出来ないものであることを示す一つの要因となっている。
正位置の意味
修行、忍耐、奉仕、妥協。
逆位置の意味
徒労、痩せ我慢、欲望に負ける。

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